リスニングをしていて、知っている単語なのになぜか聞こえないことってありますよね。
「勉強したはずなのに何でなんだ!」と文句を言いたくなるこの現象の理由は意外と簡単です。この記事を読んでその疑問の解消して、リスニングの向上の参考にしていただければ幸いです。
僕はTOEIC905点(リスニングは450点・9割)でそれなりに英語を勉強しているつもりです(自慢のようになってしまいますが、記事の信頼性のために一応書いています)。
長期の海外経験もない中で手探りで勉強してきました。「留学に行きたいけどいけない」というような方の手助けになればと思い、この記事を書きました。
少し長い記事なので、読みたいところだけ読んでいただけたらと思います。何かの参考になれば幸いです。
結論 間違った発音を覚えているから

結論を単純にいうと「自分の覚えている発音がネイティブの発音と違うから」です。
もちろん単語の知識不足もあります。発音以前に知らない単語が出てきたら意味が分からなくて当然です。
しかし、実際のところネイティブの発音を知らないが故に聞き漏らしている部分があるのは間違いありません。
例えば「Hello. My name Jhon. Nice to meet you.」という文。これを多くの日本人はこんな風に読むと認識しています。
Hello. My name is Jhon. Nice to meet you. 「ハロー。マイ ネイム イズ ジョン。ナイス トゥ ミーチュー」
しかし、実際は大体のネイティブスピーカーはこんな読み方をします。
Hello. My name is Jhon. Nice to meet you. 「ハロォ。マッネーミズ ジョン。ナァスツ ミー ユー」
ここで伝えたいのは「Hello. My name is ○○.」という聞き飽きたフレーズですら実際とは違ったカタカナ発音を覚えている人がかなり多いということです。他の単語やフレーズも同じように覚えている発音が実際の発音とは違います。
なので、知っているはずの表現も聞き漏らして意味が分からなくなってしまいます。
それほどリスニングにおいて発音は重要なのです。

間違った発音を覚えているのはあなたのせいではない
しかし、発音をきちんと覚えられていないのはあなたがサボっていたからではありません。
日本の学校教育で発音の練習はほとんどしないことが原因です。
日本人同士だと何と言っているのか分かりやすいと思いますが、これはお互いが認識している発音にズレがないからです。逆に英語が上手な人が話すとき「A君は発音が上手すぎて聞き取れない」なんて現象が起こってしまいます。

この「自分の頭の中にある発音」と「実際の発音」のズレこそがリスニングの落とし穴になります。認識していない音声が聞こえたら、知らない単語だと思ってしまうからです。
何となく聞こえた単語では確信を持てません。そんな推測が重なってしまうとどうしても文全体としては意味を見失ってしまいます。
単語やフレーズはただ綴りを覚えるだけでなく、正しい発音も覚えるべきなんですね。間違った発音を覚えていいことは日本人だけには通じやすくなることくらいです(笑)。
結論だけ言うと「正しい発音を覚えよう」というだけの話でしたが、小さな虫食いの重なりが結果的に勘に頼らざるを得ない状況を作ってしまいます。
しかし、「よし、じゃあ発音を勉強しよう!」となった方が多いと嬉しいです。ただ、勉強の仕方には注意点もあるので基本から丁寧にやってみてください!
発音の練習の仕方
流れとしてはシンプルで
- まず一つひとつの「アルファベット」の発音を正しく覚える
- ネイティブの音声を聞く
- マネをして実際に口から音を出す。
1の「音」の発音は覚えてしまえばそれで終わりなので1~2時間で十分です。1が終わればそこからは2と3のループになります。
基本から丁寧にやっていけば1日で大きく英語が聞こえるようになるので、発音をガンガン伸ばしていって下さい!
最初にアルファベットの正しい発音の仕方を知る

突然ですが、皆さんは「LとR」の発音の違いが分かっているでしょうか?
日本語のラ行は発音がRの一つなので、日本人は「LとR」の発音の違いを意識することはありません。
例えば「collect information 情報を集める」、「correct information 正しい情報」は「LとR」を一緒くたにしていると訳が分からなくなります。
これではせっかく「コレクト」とという単語を二つ覚えても、そこで意味が分からなくなってしまいます。もったいない話です。
「LとR」だけに限らず「 th 」や「BとV」、「f」など、英語には日本語にない発音があります。また「a,i,u,e,o」などの母音にも違いがあるのでまず違いがあるということを認識して、勉強しましょう!
母音や子音の発音の区別がわかるようになってくると、リスニングの耳が鍛えられます。
発音を覚えるのは年齢が上がるにつれて難しくなります(不可能ではありませんが)。なので、単語の勉強に取り掛かる前に必ず習得しましょう。
ちなみに「L」は舌を上の前歯の裏につけながら発音します。そして「R」は大げさに舌を巻いて、折りたたむくらいの勢いで口にすると正しい音を出すことができます。
こうした基礎的な発音の勉強にはサマー先生のYouTubeチャンネルがおすすめです。サマー先生は日本語もペラペラな才色兼備。これ以上ない見やすさの動画を無料で配信してくれています。
英語を覚えるときは必ず音を聞く
基本的な発音の仕方をマスターした後にようやく単語の勉強に取り掛かっていきます。
知らない単語は単語帳の音源やgoogle翻訳などで音声を聞きましょう。そこで必ず正しい発音を口に出して正確に覚えてください。
発音を覚えるときは1回目が本当に大事です。間違った発音を覚えている期間が長びくほど、発音の矯正は難しくなります。
日本語になってしまっている英語は特に大変です。
例えば「level」。日本語では「ベ」をしっかり発音して「レベル」と読んでしまいますが、正しくは二つ目のeは発音せず「レヴゥ」と読みます。
日本語の発音の癖はなかなか抜けないので何度も何度も口にして直す必要があります。
聞きまくり音読しまくる

結局のところ正しい発音はネイティブスピーカーがどう読むのか聞いて知るしかありませんし、記憶するには実際に口に出すしかありません。
同じ音声を何回も聞いて、少なくとも50回くらい音読することをお勧めします。電車などでは飽きないためにも色んな音声を聞いてみればいいと思います。
繰り返し音読することを勧めるのは、一回音読したくらいでは発音を完コピできないからです。
何回も音読して上手く発音できないときは、その部分を何回も聞き直して何と発音されているか確認してください。
発音されない音や自分が覚えた発音と違うこともあることを頭の中に入れておきましょう。
真面目に全部の音を発音しようとすると超早口になって逆に不自然な感じになります。省略されている発音もきちんと聞きわけましょう。
とにかく大事なのは「記憶より耳を信じること」です。丁寧に地道に勉強していきましょう。そうすれば必ず上達します。
挫折感を覚えることもあると思います。そんなときのために前もってつまずきやすいポイントも書いておくので、心が折れそうになったときは、みんなつまずいていることを思い出していただければと思います。
発音の勉強で挫折しやすいところ
発音の勉強に取り掛かってもらう前に知っていてほしい3つの難所があります。
事前に知っておいたら気持ちとしては楽だと思います。
① 単語の勉強をするときに時間がかかるようになる ② 単語だけでなくフレーズの発音まで勉強する必要がある ③ 英語にも方言があり、地域によって発音がかなり違う
一口に発音といってもかなり奥が深いので舐めないでいた方が身のためです。
ただ、練習していくうちに必ず上達し、英語が聞こえるようになるのでそんな楽しみもあるということを頭に入れていてほしいです。
マスターに時間がかかる

リスニングが聞けるようになるためには1個1個の単語の発音を正確に覚える必要があります。
そして1回覚えた発音はずっと記憶していなければいけません。
なので、意味で長期で単語の勉強に取り組む必要性が生まれます。
1回1回の作業はgoogle翻訳の音声などで何回か聞いて確認する程度のことですが、その勉強を長い長い期間に渡ってしていく必要があります。それをやってるからこそ英語ペラペラな人はすごいと思っています。
地道にやっていきましょう。僕も頑張ります。
また音声の確認にはパソコンやスマホを使うこともあるので、うっかりSNSなんかを見ないようにしましょう(笑)。
単語を覚えているだけで周りの人からは褒められます(笑)。ただ、本当に英語でコミュニケーションを取れるようになりたいと思うなら、もう一歩踏ん張って発音まで覚えましょう。
単語だけでなくフレーズの発音も覚える必要がある

母音「a,i,u,e,o」をきちんと発音する日本語とは違い、英語は前後の単語の発音がくっつくことがよくあります。これは前後の単語の発音がリンクすることから、リンキングと言われますが現象の名前は覚えていなくて構いません(笑)。
「thank you」は赤字のkとyがくっついて「センキュー」と読むのは普通だと思いますが、これと同じことがほかのフレーズでも起こります。
例えば「have to」は「ハフ トゥー」ではなく「ハフタ」と読んだほうが自然です。
こういった前後の単語の繋がりのパターンも無数にあるので、それも体に叩き込む必要があります。
なかなか酷ですよね。僕もこの壁にもろにぶつかってきたので気持ちはよくわかります。
「単語もフレーズの発音も大丈夫!」となり、免許皆伝かと思いきやまだそうはいきません。
地方の違いによる「訛り」という大きな壁があるのです。
国によって発音が異なる

言われてみれば当たり前ですが、これだけ世界中で話されている英語ですから発音が国ごとに違います。これは英語学習界隈で「訛り」と言われますが、アメリカ人とイギリス人の発音はかなり異なります(涙)。
訛りはイントネーションやアクセント、そもそもの読み方の違いなど様々です。
日本人は中高と基本的にアメリカ英語を習っています。
多くの人は情報としてイギリスとアメリカの英語は若干違うことを知っていますが、そこまで意識をしていないと思います。さらにはイギリス人の英語を耳にする機会もほとんどありません。
そんな日本人がイギリスやオーストラリアの英語を聞く機会はどこでしょうか?
そう!TOEICです!
TOEICを受けたときに途中で何を言っているかさっぱり分からないことはなかったでしょうか?
原因は様々ですが、訛りも要因の一つであることは間違いありません。おそらく多くの日本人が苦戦するのはイギリス英語だと思います。
TOEICではアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアの4か国の音声が流れます。それぞれの国の発音の違いも頭に入れないといけないんですね。

TOEICのリスニングはどうりで大変なわけです。ただこの4か国の訛りはきちんと単語やフレーズの発音を覚えていけば対応できるレベルなので必要以上に恐れないようにしてください。
TOEICなどではそれぞれの国の標準語と言われるアクセントでの音声なので、マニアックなアクセントを覚える必要はありません。アメリカならABCニュース、イギリスならBBCといった公共放送のアナウンサーのアクセントを聞き分けられたら十分です。
都市レベルの訛りになるとネイティブでもキツイ
ちなみにイギリスやアメリカの中での「訛り」もあります。アメリカの「南部訛り」、イギリスの「スコットランド訛り」などを聞いたことはないでしょうか?
イギリスという狭いエリアの中でも20以上の方言があり、ここまで理解できるようになったらもう英語は自由自在に操れるでしょう(笑)。
方言にも強弱があり特に訛りがきついスコットランドの首都グラスゴーの訛りはアメリカ人の人も「聞き取れない!」と言っています。
日本でも地方の年配の方の方言は理解できないことがあるのと同じです。

さすがにこのレベルになるとテストで問われることはありませんが、有名人のインタビューなどを理解するにはこのレベルの発音と語彙を備えていないと話は理解できません。
なので、これらマニアックなアクセントまで理解できるようになったらかなり重宝されるに違いありません。
まあ、このレベルになると勉強に終わりがないので真夏の道路で逃げ水を追いかけるような気分にもなりますが(笑)。
まとめ リスニング上達にはそれなりに時間がかかってしまった

今回紹介した勉強法はあまりに地味で根気のいる勉強で秘訣らしくない勉強法で申し訳ないです(笑)。
もっと「○○さえ覚えれば!」とか「△△は完全な間違い!」みたいな目新しい書ければいいのですが、現状では「これで発音の悩みは1発解決!」みたいな秘訣は見つけられていません(^^;)
正直書いていても面白くないので公開することに躊躇いも感じていましたが、何かの参考になればと思ったので記しておきます。
僕がしている勉強はとっても地味です。ただ英語が理解できるようになると本当に世界が広がります。日本語では得られない情報が得られるようになり、自分がいかに井の中の蛙であるかを理解できます。
外国の視点から見る世界は僕たちが教わってきた世界観とは全く違います。そんな複雑な世界を知るためのツールである英語は生涯をかけて学んでいく価値があると本当に思っています。
だからこそ勉強の助けになればと思い、こんな記事を書きました。鍛えぬけば必ず発音は伸びます!くさいことを言いますが、努力を信じて勉強していきましょう
以上!最後まで読んでくださってありがとうございました!!!!!