【海外旅行】物乞いやホームレスを突っぱねても問題ない理由

海外旅行記

海外旅行で出くわす物乞いやホームレス。

基本的に僕はすべて「No!」と言って突っぱねています。

もちろん、物乞いの人々特有の輝きのない目を一蹴するのは気分の良いことではありません。

でも、自分の行為に問題はないと思っています。

今回はなぜそう思うのかということを解説したいと思うので、お付き合い頂けると幸いです。

日本では見えない相手が目の前にいるだけのこと

冷酷に思われるでしょうが、基本的にはすべて断っても問題ありません。

まぁ正確な言い方をすると、いつもとしていることは変わらないということです。

なぜなら社会の最下層の方々に「No」を突き付ける行為は、僕たちは日本で毎日しているからです。

海外旅行で物乞いをしてくる人々は、普段は見えない相手が見えるようになっているだけです。

つまり、先進国で生きているだけで途上国の人を虐げているのに、その被害者が目の前に現れた瞬間ひるむのは変だということです。

簡単にいうとこれだけですが、まだよく理解できないと思うのでもう少し詳しく説明しますね。

今の先進国の暮らしは途上国の搾取の上に成り立っている

これは受け入れがたい考えかもしれませんが事実です。きちんと認識しておくようにしましょう。

皆さんはこんな話を聞いたことはないでしょうか?

ガーナのアッド君(11歳)は、9人家族を支えるためにカカオ農園で毎日15時間働いています。しかし、その農園のオーナーがアッド君に与える日給は200円に過ぎません…。

テレビ番組などでは少年が貧困にあえいでいるのは悪徳オーナーのせいとなりますが、本当にそうでしょうか?

ここで考えたいのはオーナーがなぜ搾取をするのかということです。

貧困に苦しみながらも懸命に働く子どもから搾取し続けるのはオーナーもしんどいはずです。

ただ、働きに見合う賃金を払ってしまうと自分の生活が成り立たない。

つまり、農園の働き手もオーナーも苦しい

では、なぜそんなことが起こるのか?

それはオーナーが搾取をしなければ満足な暮らしができないほどの金額でカカオを買い叩いている人間がいるからです(一部には本当に悪い人もいるでしょうが…)。

そして、その一つが我々先進国の企業や人間なのです。

途上国の末端の労働者が公正(フェア)な賃金を受け取れるようにすることを目標にした「フェアトレード」というブランドがあります。

フェアトレードとは?|fairtrade japan|公式サイト
フェアトレードジャパンは、Fairtrade International の構成メンバーとして日本国内における、国際フェアトレード認証ラベルのライセンス事業、製品認証事業、フェアトレードの教育啓発活動を主に行っています。

普通の板チョコは100円程度なのに対し、フェアトレードの板チョコは一枚で数百円です(フェアトレード製品が高い理由は人件費だけではありませんが今は無視します)。

つまり、チョコの製造に関わる先進国から途上国までのすべての人に公正な賃金を払うと、チョコの値段が倍になるということです。

これはチョコに限った話ではなく、衣服や機械などにも当てはまります。

日用品すべてをフェアトレードのもの買っていては先進国の人の生活は成り立ちません。

なので、買い叩かれた作物を使ったフェアトレードでない商品を選ぶことで、途上国の人が貧困に苦しむことを黙認しているということが残酷な真実なのです。

だからこそ海外で物乞いの人を突っぱねることは日本で普段していることをする際に目の前にその被害者がいるというだけのことです。

なので、断る方が普段の行動と一貫性が保たれています。

知らない方が幸せな事実

ここまで読んできて「そんなこと誰も教えてくれなかったじゃないか!」と自己弁護しても、あなたがお咎め無しになることはありません。

そんなことを言っても事実は変わらないからです。

この事実は、割を食っている途上国の人の方が当然強く認識しています。

「あいつら(先進国)は、俺たち(途上国)のおかげで良い暮らしができている」と思うようになり、少しくらい自分たちにお金をくれてもいいじゃないかという心理になるのです。

もちろん途上国のすべての人がそうではないことも僕は知っています。

単純に「あなたはお金持ちなんだから少しくらいお金をくれたっていいじゃないか」と思っている人も多いです。

そういう社会の縮図を僕たちに嫌でも思い出させるのが物乞いなのです。

自分たちが生きている世界は決して美しくないことを自覚しましょう。

なんとなく僕の言いたいことが分かっていただけたと思います。

ただ、ここまで読むと自分が生きていることが罪だと思ってしまいそうですが、気に病む必要はまったくありません。

世界の格差の原因はあなたではない

この世界が不公正なのは僕たちのせいではありません。

ただ世界はそういう仕組みで回っているというだけです。

自分が先進国に生きていられることに感謝して生きるようにしましょう。

そして、発展途上国の人々を不憫に思うこともやめてください。

そんなことをしても何にもならないですし、失礼です。

事実は事実として認識して、自分の今の仕事や勉強に集中するようにしましょう。

ですが、世界の格差を放置していていいわけではありません。

そこで格差を縮めるために僕たちができる行動を紹介します。

間接的に「お金」を寄付しよう

僕も物乞いの人の過酷な生活を見て、こんな人が減って欲しいと思いました。

しかし、そうした人に直接お金を渡しても正しく使われるとは限りません。

僕たちが渡したお金がドラッグや売春などを通してマフィアの資金源になることもあるからです。

なので、そうした人の支援の仕方をよく知っている人たちにお金を託すのがよいと思います。

支援のプロが少なくとも僕たちよりは上手にお金を使ってくれます。

信頼できる機関を探して寄付をするようにしましょう(ここでどこかの名前を出す人は回し者ですね笑)。

どうしてお金なのか

ここでどうしてボランティアではなく「寄付」なのかということを説明すると、お金が一番効率的だからです。

例えばあなたがエチオピアの村の井戸掘りを支援するために数十万円を掛けて現地に渡航したとします。

すると、高い旅費ほとんどは現地の支援に回らず、交通費や滞在費として消えてしまいます。

予算のうち井戸掘りに使われる金額はほんのわずか…。

そして、もっと大事なことはボランティアであなたが現地の人の仕事を奪ってしまうことです。

あなたが1個の井戸を掘る時間で、地元の職人なら3個は井戸を掘れるかもしれません。

非常に高い予算を組んで1個の井戸を掘ったのに対し、現地の職人に任せれば同じ時間でもっと安くたくさんの井戸を掘ることができるでしょう。

なので、お金を託して「任せる」ようにした方がいいのです。

お金だと色々な用途に使えますしね…。

ボランティアは自分も他人も「やった感」を感じられますが、大事なのは感想ではなくどの程度支援できたかどうかです…。

寄付すらしなくても問題はない

もう一度言いますが、この世界の不平等は誰のせいでもありません。

それぞれが自分の理想や欲望を追いかけ続けていった先に犠牲になってしまった人がいるのです。

その欲望の追求の否定は人間の否定…。

社会主義が上手く機能しなかったことは歴史が示す通りです。

残酷に聞こえるかもしれませんが、自分がこの世界の恩恵を受けられる側にいられることを喜びましょう。

もしかしたら、僕たちと物乞いの人たちの立場はまったく逆だったかもしれません。

「Once I was like you. かつては僕もあなたと同じだった」

ノーベル賞を受賞した物理学者リチャード・ファインマンは次のような発言をしています。

「世界で起きている出来事は、あなたの責任ではない」。ジョン・フォン・ノイマン(世界的に著名な数学者)のすばらしい考え方を、私もまねすることにした。意識的に社会に対して無責任でいることに決めたのだ。そう決めてから、私は以前よりずっと幸せを感じられるようになった。

ロルフ・ドベリ著 「Think clearly」サンマーク出版 2019年 284ページより引用 

これは世界の貧しい人が苦しむ一方で、自分の仕事に集中しても人でなしということにはならないということです。

なぜなら今こうしている間にも世界は少しずつ良くなっていますし、その発展にあなたはあなたなりの方法で貢献しているからです。

なので、できる範囲で助けてあげれられれば十分ですし、それができないのなら自分ができることに集中していればいいのです。

まとめ 自分が豊かであることに罪悪感を抱かなくてよい

長々と書いてきましたが結局、物乞いを突っぱねようが、先進国の人の生活は貧しい人々を搾取していいるという事実に変わりはないということです。

そして、罪滅ぼしとして施しを与えるにしても、お金を直接渡すのではなくプロに託した方がいいということもお話ししました。

世界を取り巻く不公正は事実として受け入れ、自分が受けている奇跡的な幸運に感謝しながら生きるようにしましょう。

全員を助けようとすると、僕たちの方が参ってしまいます。

この世界が決して美しくないことを海外旅行で直接感じ取れたのなら、あなたの人生との向き合い方も変わるはずです。

今日も自分がいられる環境に感謝して精一杯生きるようにしましょう!

以上!最後まで読んで下さってありがとうございました!!!!!

ルキータ

海外旅行と読書が好きな社会人1年目。趣味の旅行で11か国を訪れるかたわらでオンライン英会話を4年継続。読書はビジネス書を中心に一年で50冊ほど。日本で生まれ育ちでTOEICを450→905点に。ルキータという名前は好きなサッカー選手(ルカ・モドリッチ)の愛称を使っています

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